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軍艦島では、石炭出炭量の増加に比例するように、島の人口も増えていきました。最盛期には島内に約5,300人が住み、人口密度は当時の東京都区部の9倍にまで到達。この記録は今でも破られていません。
ここでは、世界最大となる人口密集率と人口増加の歴史について紹介します。
軍艦島は、世界最大の人口密度を誇った都市でもありました。軍艦島の歴史で最も人口が多かったのは、1959年で、最多人口は5259人。軍艦島の面積は、0.063km²なので、人口密度は83,600人/km²になります。
現在の世界各地の過密都市のデータを見ると、マカオの半島部分で6万人、モルディブの首都マリで3万5千人、ムンバイで約2万7千人。どの国の人口密集率も軍艦島には及びません。(参照:ウィキペディア)
さらに軍艦島は、島内のすべてが居住地域ではありません。島全体の約5分の2に相当する内海側の埋立地エリアは、完全に工業用地で使用していました。この部分を除くと、人口密度は14万人近くにもなります。
軍艦島には、炭鉱労働者とその家族が続々と移住してきました。戦時中の1943年、中国や朝鮮からの労働者も雇っていたため、島内にはさらに人が増えます。
ですが最多人口だった1959年の際、世帯数は意外にも少ないものでした。数は約800世帯で、一世帯当たり6.6人。反対に世帯数が最も多かったのは、1940年代の後半。約1600世帯が入居していました。人口は、やや少ない4500人前後で1世帯あたり約2.8人。
実は軍艦島のベビーブームは全国的なベビーブームとは一致しません。一般的なベビーブームは、戦後すぐの1940年代後半を指します。ポスト団塊の世代を含めても、10年後には収束を迎えています。
一方の軍艦島の場合は、戦後に国力回復のために実施された「傾斜生産政策」が終わる頃。この頃、国は原料産業を奨励しましたが、軍艦島のベビーブームは島内での仕事が少なくなった時期にほぼ合致しています。
海の状況や悪天候で上陸できないことも多い中、平均上陸率94.7%(※)と高い上陸率を誇る軍艦島コンシェルジュさん協力のもと、軍艦島の上陸ツアーに参加したレポートを紹介しています。ツアーの見どころはもちろん、軍艦島の魅力を余すところなくお届けします!
※平成23年度~平成30年度の上陸実績