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台風との戦い

軍艦島はその地理的な条件から、生活するためには過酷な自然条件との闘いを強いられました。中でも台風は、島に多大なる被害をもたらします。

軍艦島と台風

台風による高波
台風による高波写真提供:軍艦島デジタルミュージアム
https://www.gunkanjima-museum.jp/

東シナ海に囲まれた軍艦島には、度々猛烈な台風が襲いかかりました。中でも1956年の台風9号と、1959年の台風14号は島に甚大な被害をもたらします。台風9号は、南側と西側の護岸が100mにわたり随所で崩壊させたほか、第1ドルフィン可動桟橋が流失。また、台風14号は第2ドルフィン桟橋を破壊、体育館も崩壊するなど被害は甚大でした。

台風への対策

堤防

高波と堤防
高波と堤防写真提供:軍艦島デジタルミュージアム
https://www.gunkanjima-museum.jp/

堤防は、島の拡張に合わせて天川工法を採用しています。セメントで固定し、隙間を天川で埋めていますが、昭和初期から戦前にかけてはコンクリート巻きの護岸が増えました。しかし島内の崩壊が進む中、石積みの護岸はほとんど壊れていません。

防潮棟

防潮棟は、建物自体を一つの壁と考えて波浪を緩和させる建物。被害緩和のため、海側を廊下にしています。後期に建てられた建物は、波浪時以外に外海の開放感を満喫できるよう海側に部屋が造られました。その分、被害回避の対策で室内ベランダを設け、窓はより小さい造りです。

防潮階

防潮階とは、建物の一階部分を島内に流れ込んだ海水のはけ階にする造りを指し、日給社宅や51号棟などに採用されています。派出所があった21号棟の高床は、特に高く設計され、1階室内にあった留置用の木製檻がいまでも波浪に流されず、綺麗に残っています。

排水

台風や波浪が激しい時に進入した海水は、島内の地上を流れ、各所に設けられた排水口から海へ排出。初期の排水口は開口部が大きく、その後コンクリートで護岸が補強されると、後付けの排水溝をつたって排水管からも水を流しました。

その他の防潮対策

他にも、建物内の廊下などに厚い扉を設置し、波浪の進入に対処した防潮扉、地下室入口の周囲に防潮用の板を落とし込み海水進入を防ぐ装置などが造られました。

海の状況や悪天候で上陸できないことも多い中、平均上陸率94.7%(※)と高い上陸率を誇る軍艦島コンシェルジュさん協力のもと、軍艦島の上陸ツアーに参加したレポートを紹介しています。ツアーの見どころはもちろん、軍艦島の魅力を余すところなくお届けします!

※平成23年度~平成30年度の上陸実績

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